鯨を殺して食べるアメコミヒーロー

ロビンが鯨の肉を喰うロビン

小野耕世の「 アメリカン ・ コミックス大全」を読みました。
「大全」と銘打ってあるものの、著者自身も述べているように
タイトルは編集者がつけたもので、「大全なんておこがましい」ものだそうです。
確かに19世紀末に誕生した「イエローキッド」(世界初のマンガと主張される作品)に遡って、
以降100年以上のアメリカン ・ コミックス史の作品、作家、出版社、それを取り巻く社会について語ろうとすれば
500ページ弱の書籍では語っても語りきれないのだろうと思います。
本書はアメコミのガイドブックではなく、エッセイ・対談集といったものにあたります。

私自身はアメコミにさほど詳しくはなく、有名な作品を幾つか読んだことがあるだけで
本書で言及される多くの作品・作家のほとんどは知りません。
なので「はあ、そういう面白そうな作品があるんだなあ」だとか
「聞いた事はあるけれど、読んだことはないなあ」とか
読み終えてもなんだかぼんやりとした感想しか持てませんでしたが、
印象的だった事の幾つかを以下に箇条書きしておきます。
知ってる人には「そんなの今更常識だぜ」と思われそうですが。

・アメリカン ・ コミックスの出版分野は大きく分けて三種あり、
一つは、いわゆるスーパーヒーローものの「メインストリーム・コミックス」
二つに、ピーナッツに代表される「新聞連載マンガ(ニュースペーパー・ストリップ)」
三つに、成人読者を対象とした「オルタナティヴ・コミックス」
に分けられる。

・ジョー・シャスターとジェリー・シーゲルは『スーパーマン』の作者だが、
DCコミックに対する利益配分を求める裁判を起こして解雇され、その後30年不遇だった。
(アメコミの著作権は通常、出版社に帰属するため作家はあくまで雇われ仕事。)

・ロビン(バットマンの)はイヌイットと一緒に捕鯨に参加し、鯨を殺し、その肉を喰っている。
その時のセリフが面白い。
「ふむ! まずくない! ゴムみたいだ! 味はヤシの実のようだ!」だってさ。
なんだよゴムみたいな食感でヤシの実って。

・手塚治虫の「サボテン君」の一編は完全に「ポパイ」のエピソードのパクリ。
手塚治虫はその話を単行本化や全集に収める事を許さなかった。
(今では神として崇められネームを描くのが苦ではなかったという
アイデアマン・手塚治虫の話としてはこれは意外に思いました。)

・スタン・リーはマジで東映「スパイダーマン」を好評価してた。内容はともかく、アクションをだけど。
でも池上遼一「スパイダーマン」については「どう評価していいかわからない」との感想だった。

・東映とマーヴルの提携で、東映のロボットヒーローをコミックス化する企画があった。
それは「ショーグンウォーリアー」という名のシリーズになるが、
マーヴルのライターは日本側の脚本を聞いてキレた。
「ストーリーなんかまるでねえ! ロボットが別のロボットとぶつかって戦う繰り返しじゃねえか!」
というわけで東映シナリオは無視され、オリジナルのストーリーで話は進みましたとさ。
(結局「ショーグンウォーリアー」ってなんだったんだろうと思い、今「Shogun Warriors」で検索してビックリ。
ファンタスティック・フォーとコンバトラーV(だと思う)が戦ってる画像が。
http://www.comicvine.com/shogun-warriors-/37-20605/
やべえ。すげえクレイジー。超読みてえ。)

・スパイダーマンことピーター・パーカーの恋人(妻)はメリー・ジェーン(通称MJ)だが
作者のスタン・リーは元々はグウェン・ステーシーというキャラクターと結婚させるつもりだった。
だがスタン・リーが休暇で旅行に行っている間に若手のライターがグウェンを殺してしまったという。
(著者は「スタンが休暇をとらなければ、ピーターはグウェンと結婚していただろうと、時々思い返す」と語る。
MJは快活な性格だが、対照的にグウェンは控えめな性格だそうです。
映画版「スパイダーマン」のMJのビッチっぷりにはブン殴りたくなりますが、
原作コミックでグウェンと結婚してたら、どんな話になっていただろうと思うと、なかなか感慨深いものがあります。
グウェンは映画3に出てるそうですが正直どんなだったか忘れてしました。)

・金銭的な問題について。
スタン・リーはマーヴルコミックに貢献した正当な権利として、たんまりとお金を貰える事に勝利したが
その他の作家・アーティストは未だに日の目を見ていない。

・「良かれ悪しかれ」の作者リン・ジョンストンのコメント。
「日本の漫画は人物の目がとても大きい。アイコンタクトが重要視されている。
アメリカの漫画は目というよりボディランゲージ。だから私の作品は目が点みたいに小さい。」
(そういった点からのキャラクターデザインの指摘はなかなか面白いなあと思いました。)

・つげ義春の「紅い花」はオルタナティヴ・コミックス誌「RAW」に掲載され、海外での知名度は高い。

最後に、著者は911後に描かれた「スパイダーマン」の中で、
世界征服を企むドクター・ドゥーム(ファンタスティック・フォーの悪役)が
グランド・ゼロに立って哀悼の涙を流すというシーンが挙げ、
愛国色が濃くなるスーパーヒーローと、その情勢や風潮に流されたコミック作家の脆弱さを批判しています。
まあ確かにドゥームが泣いちゃうのはどうかと思いますが、
コミックに限らず、作品というものは多かれ少なかれその時の社会を反映して作られるものですし、
アメコミのヒーローのように常に「現代のアメリカ社会」を生きる存在にとっては
911に触れないわけにはいかないでしょう。
それを批判するならそもそも戦時中にプロパガンダとして利用された
スーパーマンやキャプテンアメリカの事はどうなの?と聞きたくなります。
ほんとかどうか知りませんがバットマンが「国債を買おう!」と言った事があるとかないとか。
マーヴルのライターは「歴史的な視点から考え」て作品を作るべきだったと著者は指摘しますが、
「ぶっちゃけあの時はやっちゃったね~、ドゥーム(笑)」と
笑ってやるくらいがちょうど良いのではないでしょうか。
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[ 2011/01/13 15:17 ] マンガ | TB(0) | CM(-)

ブチャラティチーム

ミスタとトリッシュがいませんが。
あと亀も。
ブチャラティチーム2
[ 2009/12/15 19:49 ] マンガ | TB(0) | CM(-)

レオーネ・アバッキオ

アバッキオのコスプレしてきました。
レオーネ・アバッキオ-コスプレ2
ジョロンジョロジョロロロロロ
[ 2009/11/06 11:20 ] マンガ | TB(0) | CM(-)

パンナコッタ・フーゴについて

フーゴは裏切ってブチャラティチームと敵対する予定だったそうですね。
個人的には敵にならないで良かったと思います。
小説だと良い感じの役どころで出てくるそうですが、まだ読んでません。

最初に5部を読んだとき、ブチャラティチームの中でフーゴが一番かっこよく見えて好きだったので
途中で離脱してしまったのは残念に思いました。
「こいつにスパゲティを食わしてやりたいんですが かまいませんね!!」は良いセリフですよね。
あの髪型は少年誌的なツンツンでかっこいいですよね。
穴の空いたスーツは超かっこいいですよね。
パープルヘイズってかっこいいですよねガッチャマン。
ド低脳もクサレ脳みそも大して変わらないと思います。

なんでフーゴについて書いたかっていうと、知人がするコスプレ用にフーゴのネクタイ用の苺を描いたから。
フーゴ苺ネクタイ フーゴ苺ネクタイ2
[ 2009/10/26 19:00 ] マンガ | TB(0) | CM(-)
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